レゴであそぼう

レゴ テクニックに関する雑記です

設計の進め方

 設計をするにあたってどうやって作業を進めているのだろうか?
 過去の参考図面を引っ張り出してくる? CADを立ち上げてあぁでもないこうでもないって考えるのかな?
 自分は今日設計の進め方で衝撃を受ける事があったので、それを踏まえて自分が考える手戻りが少ない設計方法を書いてみたいと思う。

1.はじめに仕様を確認しよう

  • 設計対象の提供する機能を確認する
  • 機能を提供するために必要とされる動作と精度、強度、負荷荷重を確認する
  • 製品としての機能を損ねない最低限の精度を確認する

 ここまでの確認内容は、所謂仕様という奴だ。『仕様は前任機と同じで。横方向に**mmスケールアップね』って言われて、何も考えず鵜呑みにするのは仕様の確認が出来ていないんだ。
 仕様の確認が出来ていなくても、前任機がしっかりしていれば上手く行くケースが多い。でもそれを何世代も積み重ねていくと加速度的に出来が悪くなる。不具合が多いとか、割高な製品になるとかね。


2.ラフな構造検討をしよう

 ラフな構造検討って書いたのが重要だ。何かって言うとCADはまだ持ち出さないこと。簡単な構造なら頭の中で、構造が複雑になってきたならばノートにスケッチするくらいで構造検討する。
 この構造検討の目的は、設計しようとしている部品の価格を割り出す事が目的だ。だから、どこの部品と干渉するとか細かい事は考えなくて良い。ザックリ考えた装置の部品点数が幾つか?(主要な部分の強度計算はしておくこと)モーター等の購入品が幾つあるのか?といった事を確認し、材料費、概算加工費を計算する。

 材料費は(部品サイズ+削り代)x 密度 x 材料キロ単価。材料キロ単価は日刊工業新聞等に情報が出てるから、そこから見ると良い http://www.japanmetaldaily.com/
 重要なのは、材料のサイズには規格があるという事を意識して計算する事だ。貴方の欲しいサイズ+2〜3mmとかいう寸法の材料が売っているとは限らないからね

 加工費については・・・計算方法は多分会社毎に違うだろうし、自分の使ってる計算方法もノウハウだから出せない。部品加工費の計算に踏み込んでいる資料として下のような教科書があるから、計算方法が判らないようなら一度見てみると良いと思う。

ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で「即戦力」

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 こうやって計算した結果として、価格が予算に入るようであればOK。予算の2〜3倍もかけ離れているようなら構造を練り直した方が良い。構造が決まった後の購入時点でのコストダウンは1割くらいと考えて良い。
 2倍も3倍もかけ離れた値段になる構造のまま設計を進めても意味が無いのは当然だよね?

3.干渉確認をしよう
 ここまで来たらお待ちかね。やっとCADを使っても良い時が来た。ただし計画図ね。
 先ほどラフに考えた装置の外形を正確に書き、他の部品と干渉しないかを確認するんだ。組み立て性や取り回し、わすれがちな搬入経路で引っかからないか、トラックに載せられるか等も確認する。

4.図面を仕上げよう
 計画図を元に組立図と部品図を描く。この時、最初に確認した仕様に基づいて公差寸法を決定する事が大事だ。


以上、後はお気に召すまま
 『上のような流れが出来てる』『当然』『書いてないけど大事な事がまだある』って言う方はきっと多いだろうと信じたい。でも上に書いた設計の流れが出来てない人は多いのかも知れない。
 重要なのはCADを使う前に机上検討をしっかりする事だと思う。

 いきなりCADを使うと構造検討をしっかりする前に製図したくなっちゃうから怖いね