レゴであそぼう

レゴ テクニックに関する雑記です

 キャラクター指向モデリング

楽しい設計で検索した結果見つけた面白系動画。
オブジェクト指向プログラミング自体が自分の中では身についていないのでイマイチ深い部分までは分からないのが残念。

D

追記
でも、プロダクトに名前を付ける事って凄く楽しいですよね。
自分は大学時代、とある物品に『倍力くん』という名称と道具としての使い方を与えた事がありますが、考え付いた時には凄い喜びと興奮があった事を思い出します。

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倍力くん(バイリキクン):名前通り、力を倍にするという器具。
これまで8人がかりでしていた力仕事が、実際に4人以下で出来るようになった!

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はしごくだりの現象を考えよう

さてさて、力学に関する第二回目として、はしごくだりに働く力を考えていきましょう。

おっと、ひょっとして『簡単過ぎる』って思って飛ばそうとしてたりしませんか?
あえてこのような簡単な現象を取り扱う事にはちゃんと訳があります。

もしも難しい問題をいきなり取り上げた場合、問題自体の難しさに目が眩んでしまって力学問題を解く手順やコツに目がいかなくなるかも知れないと思ったのです。
簡単過ぎるかも知れませんが、しばらくはお付き合い下さい。
はしごくだりをスムーズに解ける頃には、貴方の力学を解く力は十分と言って良いレベルに達しているでしょうから。


1.力学問題を解く目的を設定しよう

基本と言えば基本ですが、学校の勉強ばっかりやっていると忘れがちな部分がコレです。
力学問題を解く目的が無いと、何をして良いのかサッパリ判らなくなってしまいます。
※つまり、どういう状況におけるどういう運動を調べる必要があるのかと言うことです。

ここでは簡単に、『はしごくだりのオモチャを設計するため』にはしごくだりの現象を解明するという目的を設定します。
つまり、『どのような状況だとはしごくだりは成り立たなくなるのか?』という事を確認する事になります。
さらに噛み砕くなら、以下の事を調べる事になります。

  • 駒の重量や重心位置はどの程度でなければならないか?
  • 駒に刻む溝の形、寸法はどのようにすれば良いか?
  • はしごの段間の距離はどこまで離して良いか? また何ミリ以上離すと成立しなくなるか?


2.状況を分けて整理しよう
目的が確認できたら、まずはこのはしご下りという現象について、5つの状況に分けて整理します。
つまり、

  • はしごの最上段で手を離した時
  • はしご上で回転している瞬間
  • はしごの上で回転が終わり、次のはしごに移る瞬間
  • はしごを1段降りて次のはしごに移った瞬間
  • 地面に到着した瞬間

の5つです。

このはしご下りという運動はこの5つの運動から成り立つという事に異論は無いでしょうか。
次に、それぞれの瞬間について働いている力を文として記述します。

  • はしごの最上段で手を離した時

 →手を離した瞬間、駒がバランスを崩し回転を始める。この時駒には重力と静止摩擦力が働いており、重力による回転力>静止摩擦力のため、駒が回転を開始する。

  • はしご上で回転している瞬間

 →重力により駒は下方向に引っ張られるが、はしごに引っかかっているため途中で放り出される事は無い
  この時駒には重力、慣性力、向心力、動摩擦力、空気抵抗が働いていると考えられる。

  • はしごの上で回転が終わり、次のはしごに移る瞬間

 →駒の切れ込みのため、はしごの段から駒が落下する。
  この時に働いている力は重力、慣性力、空気抵抗である

  • はしごを1段降りて次のはしごに移った瞬間

 →駒は落ちた事による衝撃力を受ける。この瞬間下方向への運動が一度停止する。しかし駒は再度バランスを崩し回転を始める。
  この時駒に働く力は、はしごからの反力、重力、慣性力、動(静?)摩擦力である。

  • 地面に到着した瞬間

 →駒は地面に着地した事により自立する。ただし着地の際の衝撃力や慣性力の大きさによっては、駒は反発し跳ねる。
  着地の際に働く力は、地面からの反力、慣性力、重力、動摩擦力である。

※お好みで静電気による力や分子間力や第11次元力(冗談)を入れても良い。まずは働く力を全て書き出して行く事が大事だ。


3.状況と問題を合致させる

 つまり上で書き出した状況について、どの状況を数式化すればどの問題が解けるかを対応させる。
 慣れるとここまでを頭の中で瞬時に行えるようになる。面倒臭いが、まずは練習と思ってここまでをやってみよう。


4.次回への宿題
 続きは次回に回したいと思うけど、ここで一つ問題です。
 
 物体が静止するという事は力の釣り合いとモーメントの釣り合いの両方について、釣り合いが取れている状態を表します。
 力の釣り合いが取れていない場合、物体は移動を始めます。モーメントの釣り合いが取れていなければ物体はその場で自転を開始します。(※これは非常に重要な概念です!)

 ではここで問題です。『はしごくだり』の『はしご』を回転している瞬間の駒において、『駒』と『はしご』との間では力の釣り合いが取れているでしょうか?
 次回はここから考えて行きたいと思います。
 

設計の進め方

 設計をするにあたってどうやって作業を進めているのだろうか?
 過去の参考図面を引っ張り出してくる? CADを立ち上げてあぁでもないこうでもないって考えるのかな?
 自分は今日設計の進め方で衝撃を受ける事があったので、それを踏まえて自分が考える手戻りが少ない設計方法を書いてみたいと思う。

1.はじめに仕様を確認しよう

  • 設計対象の提供する機能を確認する
  • 機能を提供するために必要とされる動作と精度、強度、負荷荷重を確認する
  • 製品としての機能を損ねない最低限の精度を確認する

 ここまでの確認内容は、所謂仕様という奴だ。『仕様は前任機と同じで。横方向に**mmスケールアップね』って言われて、何も考えず鵜呑みにするのは仕様の確認が出来ていないんだ。
 仕様の確認が出来ていなくても、前任機がしっかりしていれば上手く行くケースが多い。でもそれを何世代も積み重ねていくと加速度的に出来が悪くなる。不具合が多いとか、割高な製品になるとかね。


2.ラフな構造検討をしよう

 ラフな構造検討って書いたのが重要だ。何かって言うとCADはまだ持ち出さないこと。簡単な構造なら頭の中で、構造が複雑になってきたならばノートにスケッチするくらいで構造検討する。
 この構造検討の目的は、設計しようとしている部品の価格を割り出す事が目的だ。だから、どこの部品と干渉するとか細かい事は考えなくて良い。ザックリ考えた装置の部品点数が幾つか?(主要な部分の強度計算はしておくこと)モーター等の購入品が幾つあるのか?といった事を確認し、材料費、概算加工費を計算する。

 材料費は(部品サイズ+削り代)x 密度 x 材料キロ単価。材料キロ単価は日刊工業新聞等に情報が出てるから、そこから見ると良い http://www.japanmetaldaily.com/
 重要なのは、材料のサイズには規格があるという事を意識して計算する事だ。貴方の欲しいサイズ+2〜3mmとかいう寸法の材料が売っているとは限らないからね

 加工費については・・・計算方法は多分会社毎に違うだろうし、自分の使ってる計算方法もノウハウだから出せない。部品加工費の計算に踏み込んでいる資料として下のような教科書があるから、計算方法が判らないようなら一度見てみると良いと思う。

ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で「即戦力」

ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で「即戦力」

 こうやって計算した結果として、価格が予算に入るようであればOK。予算の2〜3倍もかけ離れているようなら構造を練り直した方が良い。構造が決まった後の購入時点でのコストダウンは1割くらいと考えて良い。
 2倍も3倍もかけ離れた値段になる構造のまま設計を進めても意味が無いのは当然だよね?

3.干渉確認をしよう
 ここまで来たらお待ちかね。やっとCADを使っても良い時が来た。ただし計画図ね。
 先ほどラフに考えた装置の外形を正確に書き、他の部品と干渉しないかを確認するんだ。組み立て性や取り回し、わすれがちな搬入経路で引っかからないか、トラックに載せられるか等も確認する。

4.図面を仕上げよう
 計画図を元に組立図と部品図を描く。この時、最初に確認した仕様に基づいて公差寸法を決定する事が大事だ。


以上、後はお気に召すまま
 『上のような流れが出来てる』『当然』『書いてないけど大事な事がまだある』って言う方はきっと多いだろうと信じたい。でも上に書いた設計の流れが出来てない人は多いのかも知れない。
 重要なのはCADを使う前に机上検討をしっかりする事だと思う。

 いきなりCADを使うと構造検討をしっかりする前に製図したくなっちゃうから怖いね

力学に関するアレコレ

某氏の希望もあり、また自分も力学に関する基礎知識が薄れてきている事もあるので復習をしたいと思う。

機械設計において必要とされる力学の基礎知識とは何か?という事だが、自分の経験から言わせて貰うならば次の3つの知識だけで良い。

  • 物体に加わっている力を全て把握できる事
  • 解きたい問題にあわせて現象をモデル化できる事
  • ニュートン力学の基礎、F=maの式の意味を完全に理解する事

本屋や図書館で力学関係の教科書を見ると、これ以外にも様々な内容(例えば水圧の項目とか投射関連の項目とか慣性力とか)が出て来るが、これらは基本的に無視しちゃって良いと思う。それを使う時にチラッと教科書を読み返して計算方法を理解すれば良いんだから。
そういう意味では、力学演習(5千円くらいの分厚い本、計算式が網羅的に載ってる)を一冊買って手元において置けば良いかもね。

それよりも上の3つを完全に身につける事が何よりも大事。
面倒な教科書での勉強は置いておいて、まずは上の3つを確実に身につけよう。

そのための教材はこちら


江戸時代のからくり人形の一つで『はしごくだり』っていうらしい。
これを使って力学的な現象の確認、設計をする上での勘所をつかんで行きたいと思います。

このブログ設立のきっかけ

 自分は大学にて機械関係の勉強を専門に行った後、就職先の会社で機械設計を3年、機械設計から構造解析関係に業務を移って3年、そして今は機械を作る生産部門で業務活動中の人間です。
 現在の仕事は機械設計そのものとは異なる所に居ますが、この部署に移動した理由というのも『より良い機械設計者になるためには加工周りの実情も把握していないとダメだ!』という気持ちが根底にあったからです。
 つまり、設計者として修行するために加工関連の部門に移るくらい機械設計者としてありたいと考えているのです。

 これからの時代に設計者として生きていくためには『コストを考えた設計』『効率の良い設計技術』を体得する必要があると私は考えます。
 幸いにもここ数年、コストを考えた設計という題材の教科書・web上の記事が沢山あります。
 これらを読み、楽しみながら設計者としてのスキルアップをして行きたいと思います。